8/23 オープンカウンシル!vol.2 信州アーツカウンシル アドバイザリーボード拡大会議 レポート

始動から3年目を迎えた信州アーツカウンシルの活動成果を交流会+展示という形で表現し、共有する「パレード」。その第2弾は諏訪エリアにフォーカスして、「アーティストと文化施設のこれから」と題しさまざまなイベントを行いました。
ここでは、その一環として8/23(金)に実施した「オープンカウンシル!Vol. 2 信州アーツカウンシル アドバイザリーボード拡大会議」の様子をお伝えします!

信州アーツカウンシルの事業全般に対して、アドバイザリーボード会議において評価や助言をいただいていますが、毎回創造的な提案や意義深い議論が生まれ、アーツカウンシルの活動に欠くことのできない栄養分になっています。
今回、信州アーツカウンシルのこれまでの活動を振り返り、これから育む未来に向けてさまざまな人たちと語り合う、「オープンカウンシル!vol.2」に位置付け、アドバイザリーボード会議の刺激、面白さを文化芸術の担い手の皆さんと共有し、これからの文化芸術と地域や暮らしのあり方について参加者の皆さんと考える機会となるよう、「拡大会議」として開催することとしました。

会場には、2022年(令和4年)の信州アーツカウンシル始動からの活動を振り返るパネルや、6/15(土)に開催したパレード「はじまりの交流会」の様子を伝える展示などが並びました。

  • これまでの信州アーツカウンシルの活動を振り返る展示です。
  • こちらは「はじまりの交流会」やシンビズムに関する展示です。

これらの展示に囲まれる形で、拡大会議スタート!津村卓アーツカウンシル長のあいさつの後、野村政之ゼネラルコーディネーターより、信州アーツカウンシルのこれまでの歩みについての説明があり、ディスカッションに入りました。
ディスカッションは、前アドバイザリーボードでNPO法人Arts Initiative Tokyoプログラムディレクターのロジャー・マクドナルドさんから口火が切られ、まずは信州アーツカウンシルの活動の1つの柱である助成事業の話に。津村アーツカウンシル長、前アドバイザリーボードの吉本光宏・(同)文化コモンズ研究所代表 / (一財)長野県文化振興事業団理事長からは、助成事業の成果の1つとして県内の文化芸術活動に関する情報の蓄積が挙げられました。京都芸術センター副館長 / 京都市文化政策コーディネーターの山本麻友美さん、立教大学大学院教員の若林朋子さんからは、信州アーツカウンシルのスタッフと助成団体との関係性の妙と、スタッフ体制が変わっていく中でこのちょうどよい関係性をいかに引き継いでいくかが課題であると指摘がありました。

後半では、伝統芸能やこれからの地域の話に。若林さん、茅野市民館指定管理者(株)地域文化創造シニアディレクターの辻野隆之さんからは、郷土芸能や伝統芸能を含むアートの必要性を言語化、可視化することで、共通認識を作ることがアーツカウンシルの役割であるというお話がありました。
また、右肩上がりではない「ポスト成長期」においては、ミュージアムやまちのエンディングデザインも必要なのではないかとロジャーさんが問いかけると、若林さんは終わりを考えることは悲観的なことではなく、どう生きるかを考えることでもあり、終わりを見立てたり、ロールプレイングすることはアートの得意分野であると応じました。

そして、信州大学人文学部教授の金井直さんからは、アートはそこにいる人たちと共有できる価値であるということが強みであり、民主主義との関係性によって捉えられるべきであるというお話もありました。

アドバイザリーボードの皆さんだけでなくフロアにもマイクが渡り、アートなどに関して終始活発な議論が交わされました。

平日にも関わらず、助成団体関係者、自治体職員、アーティスト、文化芸術関係者など、たくさんの方にお越しいただきました。

閉会後は、アドバイザリーボードを囲む交流会を行いました。椅子やテーブルを用意していましたが、会場内のあちこちで自然発生的に談笑の輪ができ、多くの方々が立ったまま思い思いに交流を楽しんでいました。
新しい人脈とつながったり、さまざまな人と意見交換したりと、参加された皆さんにとって有意義な時間になったのではないでしょうか。

拡大会議の詳しい様子はまた別の形で公開しますので、そちらもお楽しみに!

次回のパレードとオープンカウンシル!は11月に上田での開催となります。ご期待ください!

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