Aプログラム 活動推進支援

向方掛け踊り復活事業/お盆行事の伝承​

16 年ぶりの「向方掛け踊り」復活成る!

天龍村向方地区の盆行事「向方掛け踊り」は、少子高齢化による担い手不足で2006(平成18)年を最後に途絶えていた。冬の例祭「向方お潔め祭り」は一度途絶えた後、慣習を改めたり、外部から担い手を受け入れたりなどをして、現在も継承を試みている状況にある。今回、冬の例祭協力者から話が持ち上がり、最後の笛の伝承者からの声もあって、地区住民有志と、お潔め祭り参加者を中心とした地区外の有志により、本事業が立ち上がった。  掛け踊りには13名以上の担い手が必要だが、村外・県外に散らばる有志は、6月からLINEなどを介して文書や映像などの資料を共有し、各々練習をした。7月末には向方に集まって現地での合同練習を行った。  8月14日夜、長松寺において、「向方掛け踊り」復活と成った。林業に関係していた若者や、ちょうど帰省した出身者も合流して、行事に参加することができた。地縁のない者にとっても関わりやすかったのは、地区の有志が「完璧でなくてもやってみる」という姿勢であったことが大きいようだ。  普段は寺まで来ない住民も足を運び、近年にない人の集まりとなった。なかには来年やってみたい、笛で参加してみたいなど、さまざまな反応があったという。準備から復活のプロセスで、今後の参加者にとっての参考資料や記録が収集されたことも1つの成果だといえる。より多くの住民の「やりたい」という思いが、継承の土台となる。  また、事業を推進した方が天龍村に関わったきっかけの1つは「信州つなぐラボ」(長野県の関係人口創出事業)であったという。地域課題へのさまざまな取組が混ざりつつ、祭りが継続し、地域コミュニティが存続することを願う。

「向方掛け踊り」復活成った直後の集合写真
  • 掛け踊り
  • 切子灯籠を持った口調さんを先頭に、笛と太鼓を鳴らしながら長松寺に向かう「庭入り」

2022年度の活動

❶ 6/2

笛のレクチャー動画共有(LINE及びメール)

❷ 6/21

過去映像共有(LINE 及びメール)

❸ 6〜7 月

個別練習

❹ 合宿

7/29〜 31 稽古、道具修繕等
8/12 〜 14 稽古・準備

❺ 8/14

掛け踊り実演

❻ 10 月

フォトアルバム制作

「天龍つなぐラボ」noteにレポート記事を掲載
https://note.com/tenryutsunagulab/n/nb850e2b0dbc8

団体・グループについて

向方芸能部(天龍村)

冬の例祭「向方お潔め祭り」(国指定重要無形民俗文化財)ほか地区の芸能を担う。継承が難しくなるなか、地域の存続にとっての芸能の重要性を鑑み、「保存会」ではなく「芸能部」との名称で活動している。

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