『ハンドパペットをつくろう』に行ってきました!

12月12日(月)に伊那市で行われた「ハンドパペットをつくろう」に行ってきました!

主催のNPO法人いいだ人形劇センターは、「市民文化と人形劇文化および、飯田地域全体の活性化に寄与すること」を目的に2013年に設立。人形劇の定期公演や人形劇にまつわるワークショップを開催しています。

飯田市や伊那市を含む伊那谷には、何百年もの歴史を持つ今田人形(飯田市)、黒田人形(飯田市)、古田人形(箕輪町)、早稲田人形(阿南町)という4つの伝統人形芝居があり、各地域の市民が保存や振興に取り組んでいます。特に飯田市は、日本最大の人形劇イベント「いいだ人形劇フェスタ」が行われるなど、多くの市民が人形劇と関わりながら暮らしている「人形劇のまち」でもあります。

「飯田市以外の場所でも人形劇の楽しさを伝え、広げたい」という思いから、今年度は信州アーツカウンシルの支援で松川村や飯山市、辰野町などでも人形作りのワークショップを開催してきました。

今回の会場はグループホームなどを運営する(一社)おもちゃの木のリビング・ダイニングをお借りしての講座となりました。参加者は伊那市のほか、駒ヶ根市や南箕輪町など近隣の市町村から集まった皆さん。大人の手にちょうどいい大きさのハンドパペットを作りました。

講師は人形美術家・吉澤亜由美さん。飯田市出身

講師は人形美術家・吉澤亜由美さん。日本を代表する人形劇団ひとみ座に在籍後、人形美術家として活躍しています。NPO法人いいだ人形劇センターの坂本さんと後藤さんも一緒に教えてくれました。

ワークショップは、スチロール球に穴を開けるところから始まりました。

  • スチロール球に手管(指を入れる紙の筒)の入る穴を開ける
  • 布を引っ張りながらスチロール球を包み、接着する
  • 余った布を切り、しわが出ないように伸ばしながら…
  • 小さいはさみや楊枝を駆使して布を貼る。球体への貼り方を学ぶことで、いろいろなものづくりに応用できる

余分な布を少しずつ切りながらスチロール球にきれいに貼っていく作業は、最大の難関! 3人の先生の手厚いサポートで、皆さん試行錯誤しながら美しい継ぎ目に仕上げていました。

顔の形ができあがったら、次は顔と体をくっつけていきます。

  • 自分の指に合わせて手管の位置を決め、正面を意識しながら顔と体をくっつける
  • 手にはめて動きを確認
  • 人形同士で「こんにちは(^.^)」。自然と目元が緩む皆さん

人形ができあがりました! 自分の手で生み出した人形に、「もう、このままでもかわいい」という声が聞こえてくるほど。

次は仕上げ。自分が考えてきたキャラクターやイメージに合わせて、顔のパーツや髪の毛をつけ、「どんな洋服を着ているか」「どんな性格か」についても考えながら自由に作っていきました。

  • 時間内に完成形が見えるよう、適宜アドバイスをする吉澤さん

箕輪町から参加した方は「チェコの人形劇が好きで、自分でも作ってみたい」と参加。7歳の娘さんが描いたクマのキャラクターをもとに制作していました。

動物の耳や鼻の作り方も教えてもらい、それぞれのキャラクターに合わせた耳ができました。「いろいろなものを入れて遊べるかな」とポケットを付けたものなど、どれもかわいらしい仕上がり。

20体もの案山子を作っているという伊那市在住のご夫妻は、「案山子作りに役立つことが学べるかも」と参加。カラフルな色合いの2体を仕上げました。

人形に顔を描く山岸さん

おもちゃの木代表の山岸さんは飯田市で開催している人形劇講座に何度か参加している経験者。スチロール球をカッターで削り出して顔を作っていました。「こんなこともできるんだ。すごい」と、他の参加者さんもびっくり。今回は「春のイメージの人形」ということで、髪型や洋服にも明るさや温かさがあふれていました。

おもちゃの木のすぐ近くにある長野県伊那文化会館の清水さんは、黄色い目がかっこいいネコを作りました。「難しいところとクリエイティブなところと両方あって、やりがいがあったし、とても楽しかったです。作りながらコミュニケーションできて、お互いが関わり合う場になれるのがいいですね。作った人形で何ができるかワクワクします」と話してくれました。

11月の辰野町でのワークショップと2回続けて参加してくれた方も。1人目は娘さん、2人目は息子さんがモデル

いいだ人形劇センターの坂本さんは「このワークショップでは、何もなかったところに何かが生まれる、自分自身の手でモノが変わっていく、という体験をしていただけます。これをきっかけに、人形劇の創作や演じることにも興味を持ってもらえたらうれしいです」と、充実した表情で話してくれました。

NPO法人いいだ人形劇センターでは、参加する方に合わせたさまざまな人形劇講座を行っています。飯田市でしか体験できない張り子のお面を作るプログラムや、子どもを対象とした鑑賞・指人形作り・実演ができるプログラムもあります。丁寧なサポートがあり、自由な発想で仕上げを行える今回のワークショップを体験して、人形作りは誰もが体験できて、人形を作ったあともコミュニケーションや想像力がふくらむ場であることを感じました。

おもちゃの木の山岸さんに、今回の感想と人形劇講座に参加し続けている理由を聞いてみました。

「今回もおもしろかった! 仕事を引退したら障がい者の皆さんと人形劇団を作りたいと思っているんです。人形劇だったら、障がいがある人も人形に言葉を乗せることで演じる体験ができるんじゃないかな、と思って。早くやりたいなと思っているんです(笑)」

会場の飾り付けは、おもちゃの木のグループホーム入所者さんの手作り。「この場所をいろいろなことに使ってください。気軽に遊びにきてくださいね」と山岸さん

伝統芸能としての長い歴史がある一方で、自分の手で人形を作り、新しい世界を創作することもできる人形劇。これからもたくさんの方に、飯田市の人形劇文化を体験してもらえたらいいなと思います。

いいだ人形劇センターではクリスマスショーなどのイベントや、小学3年生から参加できるナレーション講座なども企画していますよ。詳しくはWebサイトをご覧ください。

(写真・文 水橋絵美)

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