映画の学校2023-うえだ子どもシネマクラブ-ことばと身体のワークショップに行ってきました

信州アーツカウンシルは令和5年度より特定非営利活動法人アイダオさんの「映画の学校2023 -うえだ子どもシネマクラブ-」を助成事業で支援しています。
映画館・上田映劇を子どもの居場所として活用する「うえだ子どもシネマクラブ」。映画の学校2023では映画観賞だけでなく、アーティストとのワークショップや連続講座を通じて子どもたちの学びの場にも発展させる取り組みです。
7/23,24の2日間に1回目となる「ことばと身体のワークショップ 相手を聞く受け取る/誰かに伝える」が犀の角にて行われ、7/24に立ち会ってきたのでレポートいたします!

講師は「点と」のお二人(左:加藤紗希さん、右:豊島晴香さん)

この日のうえだ子どもシネマクラブ上映作品は「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」。
人と話すことで自分の言葉が不用意に人を傷つけてしまうのではないか、という怖さや人を思う優しさからぬいぐるみと話す主人公たちを描くストーリーでした。
上映後、映画の中でもテーマになっている会話や対話を切り口に、振付家/俳優の加藤紗希さん、俳優の豊島晴香さんからなる創作ユニット「点と」が「ことばと身体のワークショップ 相手を聞く受け取る/誰かに伝える」と題して、身体をつかいながら言葉を発するだけでなくその表情やそこにない何かを想像する楽しさを共有するワークショップを行いました。

想定をはるかに超える21名が県内各所から参加。
ワークショップが始まる前から広いスタジオを縦横無尽に走り回る子どもたちは、始まる前にバテてしまうのでは…?と心配になるほど。
さきてぃ(加藤紗希さん)ととよしー(豊島晴香さん)の合図で瞑想からスタートし少し落ち着いたところでまずは身体をほぐすワークや音楽にあわせて簡単なダンスをしました。

全身を大きく使い音楽にあわせて楽しくダンス!

つづいて2人1組になって見えないボールを投げてキャッチ!
相手の目を見ながら投げるボールの大きさやスピード、受け取ってから投げるまでのテンポの緩急をつけたりさまざまなバリエーションで投げ合いました。

名前を呼ばれた人は輪の中に入り次の人を指して交代

一通り身体が温まってきたところで次は輪になって名前を呼ばれた人が真ん中に出てさらに違う人を指して交代するワークです。
丁寧に相手の名前を呼び、呼ばれた人は返事をして輪の中へ。
面識のない人同士でも名前を呼ぶことでどんどんと距離が近づいていきました。

そしていよいよ、点とさんがこのワークショップのために書き下ろした台本が配られ…

さかさまんま演劇の台本

アイスをめぐるAとB2人のセリフのなかで
Bがアイスの行方について「しらないよ」と言いますが、
じつは知っている(さかさ)or 本当に知らない(まんま
を事前にBを演じる人が設定し「さかさ」か「まんま」のどちらか予想する「さかさまんま演劇」!

「さかさ」「まんま」のカードでこの演技はどちらかを当てる
どのチームも演技力がすごい!

日常でもよくあるシチュエーションなのかな?と思えるほどどのチームも自然にさかさとまんまを見事に演じ分け楽しくお互いを惑わせていました。

点との二人が役割についてわかりやすく説明

最後は4人1組のセリフが書かれた台本を使い、“何か”を見に来たシチュエーションを演じました。A〜Dのそれぞれの役割から各チームの“何か”はいったい何なのかみんなで予想しました。
同じセリフでも、各チームごと違う“何か”によって表情や姿勢、声の大きさや見ている方向にも違いが出てくることを発見していました。

何度もセリフを練習してみんなの前で披露

普段から何度も小学校でワークショップをされている「点と」のお二人のスムーズかつワクワクする進行で大満足なワークショップとなりました。
言葉だけでなく表情やふるまいも含めてそこにない何かを読み取りながら理解しあっているということを、「演じる」という表現を通して楽しみながら体感できるとても良い時間になったのではないでしょうか。
うえだ子どもシネマクラブでは通常の上映会に加えて、これからも映画の学校を開催していく予定ですのでぜひご注目くださいね。

(文:コーディネーター佐久間)

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