振動興業主催「シニアダンスワークショップ」に行ってきました!
信州アーツカウンシル令和5年度助成団体の振動興業(須坂市)さんが実施する「シニアダンスワークショップ」では、公募で集まった5名の参加者と一緒に「山水と思い出」をテーマとした舞踊表現の創作を行っています。9月の舞台発表に向け、月に2回程度のペースで計8回の練習・創作ワークショップを予定しています。今回は、その3回目のワークショップの様子をレポートします。
3回目のワークショップということで、だいぶ打ち解けてきた様子の皆さん。始まる前の時間は、それぞれにおしゃべりの時間を楽しんでいらっしゃいました。
今日は、前回のワークショップで決めた、このグループ内でのお互いの呼び名…ふくちゃん、ふれでりっく、もんべる…などなど(ご自身のお名前のほか、着ていたTシャツ、好きなキャラクターから取っていらっしゃるんだとか!)を確認し合いつつ、和気あいあいとした雰囲気で始まりました。
ウォーミングアップが終わると、いよいよダンスの創作と練習に移っていきます!ここで特徴的なのが、何か決まった振付を覚えて発表するというのではなく、いくつかのテーマについてみんなで話し合ったことをもとに、シーンを構成して、動きをつけていくという、つくり方です。毎回のワークショップの最後に、ファシリテーターの鈴木さんから、これまでの経験や思い出に関する問いが投げかけられ、次の回ではそれについてみんなで話し、そこからダンスのシーンをつくっていくということを重ねていきます。
まずは、発表での大まかなシーン構成について説明があった後、最初のシーンを構成するため、自分の幼少期にした遊びとその記憶についてこれまで話したことをもとに、表現していきます。「けんけんぱ」、「あんたがたどこさ」、「おはじき遊び」と、これまでに出てきた遊びを動きでダンスとしてまとめつつ、本番での振りをシミュレーションします。
「あんたがたどこさ」をする動きを再現しているうちに、これは子ども時代だからこそできた動きで、「まり」をスカートの中に入れるとか、そもそも「まりつき」の動きをずっとしているのは、身体的にきつくなってくるんじゃないかという話に。
すると、今の身体で動きやすいような動きが提案されたり、では動きを変えるタイミングをいつにするか、どういうポジションをつくって踊るか、さらには、そもそもわらべ歌自体が今の時代あんまりなじみがないかもしれないからみんなで歌いながらやってみたら、といった、さまざまなアイデアがメンバーの皆さんから出てきます。では試しにやってみましょうと、何度も動きを繰り返しては、話し合いながら一緒になってつくりあげられている様子がとても印象的でした。
「おはじき」のシーンでは、はじかれる「おはじき」そのものになったつもりで動くということから、振りを考えていきます。みんなで一堂に「おはじき」になるのか、それとも、「おはじき」になる人と「おはじき」を動かすエネルギーになる人がいるのか、それを表現するにはどんなルールで動けばいいのか…頭と身体をフル稼働させながら、ダンスをつくっていきます。
自分の動きが合っているのか不安になる人がいれば、みんながわかりやすい動きやルールにしていく。やってみて違ったら、またみんなで考える。そうやって自分たちの中から生まれる表現からつくられたダンスは、エネルギーに満ちあふれ、見ているこちらも圧倒されます。
何よりも、メンバーの皆さんが生き生きと踊り、積極的に作品づくりに関わられていること。わからないところは、わかるまでとことん話してみる、やってみる。みんなでトライアンドエラーでつくっていくこの熱量は、まさに表現の生まれている場所でしか見られない光景ではないでしょうか。
今回レポートしたのは、作品の最初のシーンのほんの一部。参加メンバーの皆さんから語られる記憶、風景をもとにして、これからどのようなシーンが紡がれていくのか、私たちも楽しみでなりません!
発表は、
9月3日(日)ながの表参道セントラルスクゥエア にて実施予定です!
(文:コーディネーター 小野佳奈)