9/3,4 『遊心 YUSHIN』〜戸隠観光協会を訪ねました②
太鼓奏者・佐藤健作さんとダンサー・森山開次さんが競演する戸隠・是色館プロジェクト第三章『遊心 YUSHIN』、いよいよ今週末に迫ってまいりました。
佐藤健作さんとともに戸隠観光協会を訪ねたレポートの第2回です。
佐藤さんが是色館で公演を行うようになり、観客の中にも一定数、太鼓の演奏と戸隠の観光をセットで楽しむ方がおられます。
反対に、観光目的で戸隠に来た方がふらっと訪れるなどして、是色館や佐藤健作さんが戸隠の旅の1ページになるような形があるとしたら、どんなものなのだろうーーそんな話し合いをしました。
戸隠に観光に来る方は、ただ何かを買う・消費するというよりは、自分で体験することを求めているのではないかーーというところから、佐藤さんが普段から行っている様々なボディーワークの話で盛り上がりました。
佐藤さんは、専門の器具を使ったり、体操をしたり、太鼓を打つ前の身体を整える独自のワークを日々丹念に行っておられます。このボディーワークを体験することで、身体感覚が精神が研ぎ澄まされて、戸隠を訪れた方々の滞在時間が豊かになるということもありそうです。
ちょうど9月下旬に佐藤さんがボディーワークのワークショップを是色館で行うということで、戸隠観光協会の皆さんも早速興味を向けていました。
また、戸隠観光協会の皆さんからは、いま協会で注力している「戸隠ユニバーサルツーリズム」について、お話がありました。
「ユニバーサルツーリズム」とは「すべての人が楽しめるよう創られた旅行であり、高齢や障がい等の有無にかかわらず、誰もが気兼ねなく参加できる旅行」のことです。戸隠観光情報センターには、旅行のバリアフリーを実現する器具が複数展示されていました。
これに、今度は佐藤さんが反応しました。佐藤さんも、高齢者施設での演奏や、障がいの有無に関わらず楽しめる公演を実践されており、「耳の聞こえない方が風船を抱いて太鼓の演奏を楽しむ」などの事例を紹介してくださいました。
私たち信州アーツカウンシルとしても、年齢、属性や障がいの有無などに関わらず誰しもが参加できるアートの場作りに取り組んでいきたいと考えているので、とても有意義な話し合いができたと感じています。
今後も、今回話し合ったような新しい発想のチャレンジによって、ニーズを開拓し、地域で持続可能な活動環境、アート拠点づくりを後押ししていけたらと思います。
(おわり)
文:野村政之