Aプログラム 活動推進支援

SUWA ×文楽〜伝統芸能を通じて学ぶ、諏訪地域の歴史と文化〜

人形浄瑠璃文楽を通じて学ぶ、諏訪地域の歴史と文化

八剣神社・宮坂清宮司と技芸人(鶴澤清志郎・吉田簑之)による対談「諏訪湖の歴史と伝承」

「八重垣姫」が登場する『本朝廿四孝』は、人形浄瑠璃及び歌舞伎などの伝統芸能では人気演目として知られる。諏訪が舞台であるだけでなく、地域の歴史(諏訪大社や諏訪法性の兜)や伝承(武田と上杉(長尾)の話)、現象(御神渡り)などが取り込まれる類い稀な作品であるにもかかわらず、“ご当地”ではあまり知られていない。そこで、「諏訪神仏プロジェクト」(神仏習合時代の諏訪社関係仏像等を一斉公開するイベント)の開催に合わせて、諏訪が舞台である文楽『本朝廿四孝』の上演を通して地域の歴史・文化を掘り下げるとともに、地域住民・子どもたちへの普及の機会とした。「諏訪大明神」ゆかりの寺院である照光寺を会場に2日間、2回公演を実施。プログラムには、演目に登場する「諏訪湖の御神渡り」の歴史と伝承について、演者と「御神渡り拝観」を司る八剱神社宮司の対談を行うなど諏訪地域の伝統や伝承を学べるものを組み込んだ。  また、子どもは入場無料にすることで参加の間口を広げ、人形を実際に動かしてみる体験型プログラムを実施。登場人物の「八重垣姫」の銅像が諏訪湖上にあることを通じて、子どもたちに対して諏訪湖への興味・関心にもつなげたいと考えた。チケットは2日間とも即日完売し、地域住民の関心や期待の大きさがうかがえた。  諏訪地域が舞台である演目を、この地域で継続的に実施していくことが、人形浄瑠璃文楽やこの物語が地域に根付いていくことの近道であると考える。今後は子どもたちが気軽に参加できる事業の構築や、圏域外の文楽ファンを巻き込み、観光客の誘致につなげていきたい。

桐竹勘次郎による人形使いの説明と体験

2022年度の活動内容

「本朝二十四孝奥庭狐火の段」の公演を主とし、地域の伝承や文化芸能を学べるイベントを 10月 21・22日に実施した。

❶ オープニング

「谷響」メンバーによる仏教音楽・声明、照光寺僧侶・宮坂宥憲氏による講話「諏訪大明神と呼ばれた仏様」

❷ 対談「諏訪湖の歴史と伝承」

八剣神社・宮坂清宮司と技芸人(鶴澤清志郎・吉田簑之)

❸ 人形浄瑠璃(豊竹芳穂太夫)・人形使い(桐竹勘次郎)の説明と体験
❹ 公演『本朝廿四孝』

「奥庭狐火の段」

団体・グループについて

一般社団法人 大昔調査会(諏訪市)

「あの頃を、あたらしく、おもしろく。」
一般社団法人大昔調査会は、考古学や歴史学等に根ざして地域の大昔(原始・古代)や昔(中近世・近現代)に関わる歴史的文化遺産の保護・活用に資する活動を行う社会貢献団体です。
当会の目的は、大昔や昔における人間活動を考察するため、考古資料・歴史資料等に関する調査研究を行い、その成果を分かりやすい方法で公開することによって、国民共有の財産である歴史的文化遺産の社会的な保護及び活用に貢献することです。

◆主要事業内容は次の通りです。
(1) 大昔及び昔に関わる考古資料・歴史資料等の整理及び再整理、並びに調査研究
(2) 研究発表会・報告書等の刊行・資料作成などを通じた、調査研究成果の公開及び活用事業
(3) 調査研究成果による、児童青少年向け教材等の作成とその活用による教育普及事業
(4) 大昔及び昔に関する調査研究やその活用を行う機関・団体・個人への援助協力
(5) 公的機関や研究団体が行う文化財保護及び活用事業への協力や、一部業務の受託
昨年は諏訪6市町村の遺跡を巡るウオーキングガイドの発刊、諏訪神仏プロジェクトへの参加協力、人形浄瑠璃文楽公演「SUWA×文楽」の主催などを行いました

助成事業