塩尻市で芸術に触れる機会を

企業との協働により、塩尻市で過去2年間実施したアーティスト・イン・レジデンス事業の継続と基盤強化を目的に、滞在制作の拠点整備と定着に向けた地域との関係づくりを図った。 　「Workshop Terminal」では、美術、音楽、ダンス、芸術認知科学など、多様な芸術に触れるワークショップを市内で計 12 回開催し、園児や小中学生及び高校生・起業家・社会人など、のべ150 人以上が参加。上手い下手を基準としない表現につながる過程を体験する機会となり、芸術文化への親しみを育むきっかけとなった。 　なかでも楢川小中学校で行ったダンスワークショップはキャリア教育の一貫で実施。普段関わることが少ないアーティストのキャリアや、表現活動を支えるさまざまな役割や仕事の存在に触れる機会となった。

AIR 事業拠点整備に向けて

塩尻市内のさまざまな場所でのワークショップの企画・開催を通じて、地域の教育関係者や塩尻市市民交流センター「えんぱーく」職員との関係構築、公共施設・学校との連携、市民への活動の周知という面で成果があった。しかし、空き物件の活用を念頭に置いていた拠点整備に関して、令和4(2022)年度は条件が整わなかったため、引き続き複数の選択肢を模索していく。市の地域おこし協力隊メンバーが中核となって、個々の経験を生かし、地域と関わりながら新たな文化芸術活動を立ち上げるものであり、持続的な取組を期待したい。

2022年度の活動内容

団体・グループについて

塩尻アーティストインレジデンス実行委員会（塩尻市）

ANAホールディングス(株)とのアーティスト・イン・レジデンス事業「ANACOM」(2020〜 21年)の共催をきっかけに設立。美術館のない塩尻市において、日常のなかで作品や作家と接点を持つ機会づくりとして取り組んでいる。