空き家が美術館、古物を作品にアップサイクル
辰野町の下辰野商店街界隈の空き家・空き店舗を使用し、エリア全体を美術館ととらえる「トビチ美術館」の取組。公募を含むアーティスト8組が滞在制作を行い、空き家から出た古道具等の「空き家の幸」や、家屋解体中に出る石膏ボード等の不要物を用いて、空間芸術/インスタレーションを創作した。長期間アーティストがまちに滞在したことにより、住民や来訪者と直接交流が生まれ、アートを身近に感じられることにつながった。公募でフランスからアーティストを受け入れたことで、より高度な対応も経験し、国際仕様の運営を目指すきっかけともなった。また国内外の美術館等から余剰のアートブックの寄贈を募り、ライブラリーを設けた。辰野美術館の展覧会と期間を重ね、回遊性をもたせていた。
まちづくり会社が取り組む“アート・文化”
展示会場として利用したことで空き家オーナーの意識に変化が生まれ、賃貸・売買を含め物件の継続的な利活用を考えるきっかけになっているほか、実際に借り手が見つかった物件もあり、本事業が商店街再生にも寄与している。まちづくり会社として、アートイベント開催が最終目的ではなく、現在の空き物件をリソースとして捉え、既成概念にとらわれない新たな気づきを得て、地域や商店街をリブランディングしていくためにアートに取り組んでいる。今後は、より長い期間アーティストが滞在し、地域の仕事を通して暮らしと近づく取組の構想もある。明確なビジョンをもち、持続的・循環的な地域づくりとアートの関係について示唆に富んだアイディアが多い。更なる発展性が望まれる。
2022年度の活動内容
7/1 | 地元・招待アーティスト決定 |
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8/1 | 公募アーティスト募集 |
9/1 | 公募アーティスト決定 |
9/28 | アーティスト滞在制作開始 |
10/15-11/27 | 捨てる神あれば、拾う神あり展atトビチ美術館2022 開催 |
10/26 | アーティストトークイベント①開催 |
11/26 | アーティストトークイベント②開催 |
2/24 | アーカイブブック完成 |
団体・グループについて
一般社団法人 ◯と編集社(辰野町)
未来はワクワクするもの。○の未来にワクワクする人を増やす。
をミッションに、辰野町で企画・デザイン・建築を使って、今より生きやすい暮らしを作るために活動するまちづくり会社。
「◯と」の「◯」に入るのは、「地域そのもの」の時もあれば、「企業」の時もあれば、「個人」の時もあります。その◯に入る人やまちと一緒に伴奏をしてスポットライトを当てる。それがわたしたちの仕事です。