アートを携え、街に福祉を織り交ぜていく
リベルテは、障がい福祉施設としてサービスを提供しながら、並行して文化事業を行っている。メンバー(通所者)へのケアをきっかけとして、地域の人たちに施設を開いていくにあたり、表現活動を通じて多様性を社会に向けて発信し、同時に「障がい」や「福祉」の意味や価値を変えたり、拡げたりする試みを行っている。 今年度の事業では、1リベルテの施設の 1 つである「roji」の庭を「公園」と捉えて、アーティストとメンバーの協働により、表現を通して地域と交流する場としていくこと、2地域の文化団体等と協働し、「roji」から市街をパレードすることを通して、福祉分野以外の多くの人が参加し、関われるような機会を生み出すこと、そして、3これらの活動を記録し、記録集ならびに展覧会として別の形で表現し、活動を知らせるアクセスをさらに多様化することを目的としていた。 施設の庭=「公園」が、季節ごとにさまざまな植物や虫、蝶が息づく場所となったことが、「パレードですれ違う人に花束を渡す」発想に結実し、蝶の衣装をまとってメンバーが参加する形に発展した。花束づくりや蝶の装飾づくりなどの準備が、メンバーのみなさんの日常の創作作業となったことが、パレードへの参加意欲を引き出した。結果、たくさんのメンバーが街を歩き、個々人の日常生活の景色に良い意味での変化を与えたという。 そして、ゆるいパレードの列に、支援者やメンバーだけでなく他の文化団体や地域のさまざまな関係の人たちが参加していたことが、リベルテの表現/デモンストレーションともなっていた。固定したステレオタイプな関係性を、創造的なプロセスで変化させていく。障がい福祉とアートの新たな思考/試行が重ねられている。
2022年度の活動内容
❶ 7 〜 10 月 ワークショップ | 内容:アーティストによる表現ワークショップやパレードに向けた準備(計 16 回) |
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❷ 9/25「花とひらく~路地をひらき、ちんどんパレード~」 | 参加者:リベルテメンバー(通所者) |
❸ 1/21 〜 29「路地の開き 2022-23 Exhibition」展示会 | 場所:上田映劇 |
団体・グループについて
特定非営利活動法人リベルテ(上田市)
リベルテは何気ない権利や自由について考え取り組みながら、表現が生まれる場づくりを行っています。上田市街に3箇所の拠点があり、障害福祉制度を使いアトリエを運営しています。「路地の開き」というプロジェクトを継続中。